パーマの豆知識
パーマのかかるしくみ
毛髪は結合によって形成され、パーマ剤はその結合に作用する事によってかかる事ができています。
まずは、4つの結合について説明いたします。
■ペプチド結合
アミノ酸の結合。アルカリ剤や過酸化水素で加水分解する。
■シスチン(S-S)結合
システイン2分子がつながっているもの。
1液(還元剤)で切断されて、2液(酸化剤)で再結合されます。
■イオン結合
マイナスイオンとプラスイオンの結合。
髪のpHが弱酸性だと結合されていて、phがアルカリに傾くと切断される。
■水素結合
乾いていると結合されていて、濡れると切断される。
上記4つの結合によって毛髪は形成されています。
そのうち3つの結合を切断する事によりパーマをかける事ができます。
パーマ液が毛髪に反応するプロセスは...
■水素結合を切断 → パーマ液塗布
■イオン結合 → パーマ液のpH値(アルカリ性)によって切断
■シスチン結合 → 1液の還元作用により切断
そして、その中でもシスチン(S-S)結合を切断し、2液による酸化作用によりパーマのかかっている状態で元に戻します。
ただし、実際には強いパーマ液でも、シスチン結合の20%程度しか切断されていません。
2液の酸化作用で戻るのはシスチン結合だけで、pH値を弱酸性に戻す事でイオン結合を戻し、毛髪を乾かす事で水素結合を戻します。
パーマは、この3つの結合をしっかり戻す事が大切です。
上の3つの図をご覧下さい。
薬液処理前の状態では、システイン2個がしっかり結合されていてシスチン結合の状態にあります。
髪にロッドを巻いた後、1剤の還元作用によりシスチン結合を切断します。
最後は、2剤の酸化作用によりロッドを巻いてカールを与えた状態でシスチン結合を戻します。
あまり上手な図ではなくて申し訳ありませんが、図解をするとこんな感じです。
§ pH値 §
pH値は0〜14までの数字で表しています。
[酸性] 3.0未満
[弱酸性] 3.0以上〜6.0未満
[中性(7.0)] 6.0以上〜8.0未満
[弱アルカリ性] 8.0以上〜11.0未満
[アルカリ性] 11.0以上
※毛髪がpH4.5〜5.5(弱酸性)でイオン結合がしっかりしている状態で「等帯電」と言います。
§ シスチンの話し §
シスチンに良く似た「システイン」「システイン酸」と言う単語を耳にしますが...
非常に似てはいますが別のものです!
通常、知らなくても全く問題ありませんが予備知識として覚えておいてください♪
この3つは、いずれもアミノ酸の一種です。
システインが2つ結合した状態でシスチンになります。
また、シスチン結合が還元(パーマ液1剤)・酸化(パーマ液2剤)されて出来てしまうのがシステイン酸です。
システイン酸などが増えるとパーマが掛かりにくくなってしまったりするので、プロセスを守り施術する事が大切です。
§ パーマ剤の種類 §
殆どのパーマ剤の1剤は、チオグリコール酸塩類(チオ系)かシステインまたはその塩類(シス系)です。
これは、ロッドで巻くパーマ剤もアイロンによるパーマ剤や縮毛矯正剤も同じです。
チオ系の特徴は分子が小さいため毛髪に浸透しやすく、健康な状態の毛髪や硬くて掛かりにくい髪にも、しっかり掛かってくれますので短い髪の男性に向いています。
またシス系パーマ剤の主成分のシステインは毛髪にも含まれるアミノ酸の一種で毛髪を傷めにくいのが特徴ですが、分子が大きいため健康な状態の髪には浸透しにくく掛かりが弱いです。
ですがダメージ毛には浸透してくれやすいので髪の長い女性のダメージ毛に向いています。
§ パーマをかける技法 §
皆様が良くご存知のロッド・ピンやアイロン加熱による方法などがあります。
最近ではロッドの形状も通常の筒状のタイプばかりではなく、円錐形や針金状のものまで求めるカールやウエーブなどの状態によって多種多様に使い分けられるようになってきました。
アイロンの種類も過去に一世を風靡したアイパーやパンチパーマに代表される金属ロッドから遠赤外線で低温(140℃〜160℃)でかけられるセラミック製のものまででてきました。
求めるカール、質感や特徴により使い分けています。
※料金はパーマにてご確認下さい。